PMDDとは「月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)」のことです。
鬱病の一種であるという捉え方があります。
PMDDとは
PMS(月経前症候群)の女性の5%程度がPMDDだと言われています。
PMS(月経前症候群)は、だるい、むくむ、眠い、イライラする、ニキビ・肌荒れ、胸が張って痛いなど生理が始まる約10日~3日前から始まる心と体の不調で
生理開始とともに消失しますがPMDDはPMSに比べて日常生活に支障をきたすようなメンタル症状がさらに強いという事が特徴です。
代表的なものとしては、怒りっぽい、暴力的になる、抑うつ、緊張が強い、無気力、不安、情緒不安定、涙もろくなる、集中力低下、疲労感、眠気、不眠、悪夢、パニック、妄想などがあります。
とても強い抑うつや不安感、怒りなどが出てくることもあります。
PMSにしてはメンタル症状が大きく月経前に家事や仕事の作業能力が極端に落ちたり、対人関係に大きなストレスを抱えたり問題が起きたりするなどの支障が出る場合はPMDDを疑います。
不安症状が強い
PMDDは月経前だけに起こる鬱病という捉え方があります。
月経の7~10日前に症状が出始め、月経が始まると症状は消えていきます。
日本ではPMDDはあまり知られていませんが、国際的には鬱病の一種として認められています。
アメリカ精神医学会がPMDDを鬱病の一つとして認め、診断基準を定めました。
PMDDは、イライラや不安が強く感情のコントロールが難しくなるなど不安系の症状が強いです。
その他にも食べ過ぎや睡眠は十分なのに昼間も眠いなどの症状があります。
月経前以外の時期には症状が治まっているのが他の鬱病との大きな違いです。
男性の認知度の低さによる無理解
月経前不快気分障害(PMDD)があまり知られていない事はもちろん、月経前症候群(PMS)の男性の認知度も12.6%と低いです。
これは男女計618人にPMSに関する意識調査を小林製薬が行いました。
男性にPMSを知っているかをアンケートしたところ「知っている」(7.4%)、「少し知っている」(5.2%)と併せても12.6%という低い結果に終わりました。
さらにPMSで仕事や学校や家事を休む女性を理解できるかというアンケートには「理解できる」が25.2%でした。
またPMSで仕事を休みたいと思っている女性は61.8%で実際に正直に申告して休める方は6.4%しかいないことも分かりました。
これは男性社員や男性上司が理解が無いということを表しています。
実際PMSについて周囲から理解されていない事でストレスを感じている方は58.6%で
一般女性の内、同僚男性から理解を得れていないと感じる方は84.8%という事も分かりました。
PMSでこの理解度ですから、うつ状態でもあるPMDDの理解はかなり低いことが分かります。
PMDDのセルフチェック
下の①~④に全て当てはまる人は、PMDDの可能性があります。
①下の太字の4つのうち、少なくとも1つに当てはまる。
②下のすべての項目の合計が5つ以上ある。
③チェックが入った項目の大部分は、生理開始後3日以内で消失する。
④下の症状があるとき、日常の活動に支障をきたす。
□ うつな感じや落ち込みがひどい。
□ 不安、緊張感、崖っぷち感な感覚がある。
□ 批判や拒絶に敏感になり情緒不安で先が読めない。
□ イライラしたり、怒りっぽくなる。
□ 趣味や日常生活に興味が薄れている
□ 物事に対する集中力が薄れている
□ いつもより疲れて、活動しにくい
□ 炭水化物を過食したり、ひとつのものを食べ続ける
□ 睡眠過多、もしくは睡眠不足がある。
□ 限界感、自己喪失感がある
□ 生理前、次の症状のうち少なくともふたつは該当するものがある
(□乳房痛・乳房の張り □頭痛 □関節または筋肉の症状 □ワフワした浮遊感 □体重増加)
PMSとの区別チェック
下記PMSのチェックを行い上記のPMDDチェックとどちらが多く当てはまっているかを確認しましょう。
以下はPMSチェックです。
生理前5日間で①~④ような症状があれば、PMSの可能性が高いです。
①生理前の5日間に過去3か月以上連続して、下記の体と心の症状のうち、少なくとも1つ以上の症状がある。
②生理開始後4日以内にその症状が消え、13日目まで再発しない。
③薬やアルコールによる症状ではない。
④これらの症状は仕事や生活に明らかな支障をきたす。
体の症状
□ 乳房の痛み
□ おなかの張り、腰痛
□ 頭痛
□ 手足のむくみ
心の症状
□ 抑うつ気分
□ 怒りっぽくなる
□ イライラ
□ 不安
□ 混乱
□ 引きこもり
病院での対処法
PMDDは女性ホルモンとの関係で情動や食欲、睡眠などをコントロールするセロトニンと呼ばれる神経伝達物質が減少することで引き起こされると考えられています。
そのため病院ではセロトニンの減少を抑える治療薬を使います。
薬はうつ病や不安障害などで使用されるSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)という抗うつ薬を使う事が多いようです。
薬以外の対処法
PMSに対する薬以外の対処法とうつに対する薬以外の対処法をご覧ください。
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