【まとめ】嘔吐恐怖症はパニック障害の症状として現れる事も多い。
認知の歪みを取る事と自律神経を整える事が大切になってきます。
嘔吐恐怖症とは
自分だけでなく他人の嘔吐でも、「嘔吐」という事に関して非常に敏感になり、とてつもない恐怖に感じてしまい
激しい動悸・めまい・震えなどの自律神経症状があらわれます。
とにかく吐くことが怖くなります。
・吐くことが怖い
・吐けないから、気持ち悪くなることが怖い
・吐いている人も怖い
・汚物を見るのも怖い
・吐いている音も怖い
など自分も他人も、「=嘔吐」につながるもの全てが恐ろしくなります。
そのタイプは様々で
・吐くのが怖いタイプ
・吐き気が怖いタイプ
・吐けないタイプ
・吐き気に関してパニック発作を起こしてしまうタイプ
・人に見られたくないタイプ
・人のを見たくないタイプ
・複合型タイプなどがあります。
嘔吐恐怖症は理解されにくい
例えば名前の知られている病気の人が苦しんでいる番組を見ると、
人は可哀想と思い涙を流したり、募金したりします。
24時間テレビでもそのような方を必死に応援したりしていますね。
しかし嘔吐恐怖症は目に見えないので、誰の目にも映らず、そのため周りに理解されずに苦しんでいる方が大勢います。
もしそのココロの痛みが傷となり見えるのであれば、きっと血まみれでしょう。
ここ最近芸能人の方でも嘔吐恐怖症をカミングアウトする方が出てきたため少しは認知度が上がってきていますが、
嘔吐恐怖症という名前を知っている人は少なく、冷たい扱いを受けています。
嘔吐恐怖症の行動
嘔吐恐怖症は、嘔吐に関係しそうな場所を避ける回避行動や安全確保行動を取るようになります。
電車やバスに乗れなくなる。酔っている人や具合が悪く吐きそうな人に近寄らないようにする。
特定の食品を避けるなど生活に弊害が出ます。
パニック障害と嘔吐恐怖
パニック障害の症状として現れる事が多いと指摘されています。
不安は人の防御反応として備わったものと考えると、
【生命の生存に対する不安がパニック障害】で
【社会での生存に対する不安は対人恐怖】です。
嘔吐恐怖症は、パニック障害と対人恐怖の性格を併せ持っているのです。
またパニック発作は13症状ありますが、その1つが吐き気です。
パニック障害が方が、ほとんどのパニック発作症状が良くなっても
嘔吐恐怖のみが残ってしまうことも多いのです。
嘔吐恐怖症の症状
激しい動悸・めまい・震えなどの自律神経症状が嘔吐の恐怖を感じた際に起こります。
実際に吐き気が起きても恐怖心が強すぎて吐くことができない方も多いです。
ひどくなると常に「吐き気」への恐怖でがんじがらめになり、
「吐いてしまうのではないか」という不安と
「吐いてはいけない」という強迫観念から食事を摂ることができなくなってしまいます。
恐怖を感じる時は、
吐き気を感じた時
人が吐いている所を見た時
嘔吐物を見たり嗅いでしまった時
嘔吐を連想させられた時などです。
また予期不安としての吐き気もあります。
嘔吐恐怖症の原因
過去に嘔吐したことで嫌な思いをしたり、つらい経験となってしまったことや
人の嘔吐を見たり音を聞いたりしたことで不快な気分になってしまいそれがトラウマになったなどどがあります。
またパニック障害の一症状でもありますし自律神経失調症などから併発する場合もあります。
嘔吐体験
嘔吐してしまった経験、嘔吐されてしまい自分にかかったなど、
嘔吐にまつわる嫌な思い出が嘔吐恐怖症のきっかけになる場合があります。
・妊娠(つわり)が酷かった
・風邪やウイルス感染で酷い嘔吐を経験した
・吐いている人を見た
・吐くという経験が少なかった
などが多いです。
吐く経験が少なかった一例としてはこのような例があります。
ある方は20年近く吐いたことがなく吐くのが怖いと言います。
吐くのが嫌なのではなくて、吐く感覚を忘れるほど長い間吐いたことが無いため
「吐くのが恐怖」なのです。
人は、経験してないことに不安や恐怖を感じる生き物です。これが認知の歪みを作ってしまうのです。
性格傾向
これがかなり大きく影響していると考えられます。
几帳面、完璧主義、不安傾向といった性格の方が発症しやすいと考えられています。
これは自律神経失調症やパニック障害の性格傾向とも一致しています。
このことからも自律神経の乱れが不安傾向を作り出しますので、嘔吐の恐怖感を増大させていることは考えられます。
簡単な対処法・予防法
アメを舐めて紛らわす
中身が見えない袋を持ち歩く
時間に余裕を持って行動する
電車では通路側の席に座る
不安にさせないことが大切です。
良くなるためには
良くなるためには自律神経を整えることと認知の歪みを取る必要があります。
認知行動療法
行きたくない場所があるなど外出に支障が出ている事に対しては行動療法が有効です。
電車であれば乗車駅を一駅ずつ広げていき、意外と大丈夫だったという成功体験を積み重ねることで認知の歪みを取っていきます。
不安な場面での安全確保行動が減る
気持ちが悪くなっても、吐くわけではないという体験を重ねる
セルフモニタリング
吐いてしまいそうというイメージや未来予測が
実際吐いていない現実と全然違うことをよく観察する
注意のシフトトレーニング
不安時に、胃のむかつきや吐き気に意識が向かう事から、他のことへ意識を向けなおす
不安の過ぎ去りの実体験
立ち去らなくても、不安が時間とともに減っていくことを体験する。
曝露療法
嘔吐や吐き気に対する不安がある時に避けるのではなく直面し続ける事で、不安と認知の修正を行う方法です。
不安の慣れを体感
不安が時間とともにだんだんと下がってくる
認知の修正
予期していた恐ろしい結果は起こらないということ
自律神経を整える
嘔吐恐怖症はパニック発作の一症状の吐き気の延長でもあります。
カラダとココロは表裏一体です。
自律神経が乱れ、緊張状態が続いていることは、不安感を作りだし、嘔吐恐怖を増大させてしまいます。
自律神経を整えストレスと抑圧した感情を消化することは全ての基本になります。
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