jiritsusinkei/ 9月 30, 2019/ めまい/ 0 comments

目がかすみ目の前が暗くなる事を「眩」といいます。回転したり揺れ動いて見えるものを「暈」といいます。

 

この2つは同時に起こる事が多いので「眩暈」と言います。

 

中医学的なめまいの分類

 

大きく4つに分類されます。

 

肝陽亢進によるめまい

 

肝の臓器としての働きは「動」と「昇」と考える事ができます。

 

ストレスや感情の乱れにより肝を刺激し炒めると肝の陰要素が足りなくなり肝陽が亢進してしまい熱が頭に昇ってめまいがします。

 

また過労や性行為のしすぎなどで腎の陰要素が足りなくなると腎陰が肝陰を補う事ができなくなるので

 

肝陰が足りなくなり前述の様に肝陽が亢進しめまいが起こります。

 

痰濁によるめまい

 

食生活の乱れや過労による疲れ(労倦)などで脾や胃の働きが低下すると運化機能がうまく働かず痰湿が生まれます。

 

この痰湿が中焦に停滞することで清陽が昇らず、濁陰が降りないので眩暈が起こります。

 

気血両虚による眩暈

 

脾胃が弱いと気血がうまく作られなくなり気虚になり清陽が頭部にうまく昇らなくなり、

 

また血虚になり血で脳を栄養出来なくなる為、眩暈が起こります。

 

慢性疾患のある方も気血を消耗しますし、吐血、下血、崩漏(子宮内部がただれて出血すること)なども出血で消耗しますので眩暈が起こります。

 

腎精不足による眩暈

 

腎は精を蔵しており精は髄を生じます。また脳は「髄の海」と考えられています。

 

生まれつき腎精が不足している方や、加齢や房事過多により腎精が消耗している方は髄海不足になり眩暈が起こります。

 

中医学的な証の特徴

 

同じ眩暈でも証によってその他の症状が違います。

 

肝陽亢進による眩暈

 

「主な症状」

眩暈、耳鳴り、頭痛、イライラで症状が悪化する

 

「随伴症」

イライラ、不眠、夢が多い、口が苦い、顔が火照る、五心煩熱、盗汗(寝汗)、腰や膝がだるくなり力が入りにくりい

 

「舌脈」

舌質紅、舌苔黄、脈弦or舌質紅、舌苔少か無苔、脈弦細数

 

「症状解説」

眩暈、耳鳴り、頭痛→肝陽が亢進し頭部に昇り停滞することで起こります。イライラしたり怒ると肝陰を消耗しますので肝陽はさらに亢進して症状が悪化します。

 

イライラ、顔が火照る→肝陽が亢進して上部に昇ることで起こります。

 

不眠、多夢→肝陽が亢進し心神に影響が及ぶと起こります。

 

口が苦い→肝陽が亢進し胆汁が溢れる事で起こります。

 

腰や膝がだるくなり力が入りにくい→陰精不足、肝腎不足により起こります。

 

舌質紅、舌苔黄、脈弦or舌質紅、舌苔少か無苔、脈弦細数→陰虚陽亢の症状です。

 

痰濁による眩暈

 

「主な症状」

回転性の眩暈、頭が重くぼーっとする

 

「随伴症」

胸悶、悪心、食欲不振、手足や体が重だるい、嗜唾

 

「舌脈」

舌苔厚膩、脈濡滑

 

「症状解説」

回転性の眩暈、頭が重くぼーっとする→痰濁が清陽を蒙閉し起こります。

 

胸悶、悪心→痰濁が中焦に停滞して気機不利(気の働きがうまくいかない)になると起こります。

 

食欲不振、手足が重怠い→脾の運化機能が低下すると起こります。

 

嗜唾→痰濁が中焦に停滞して陽気の動きが悪くなると起こります。

 

舌苔厚膩、脈濡滑→痰濁内蘊(たんだくないうん)の症状です。

 

気血両虚による眩暈

 

「症状」

眩暈、横になると楽になる、心身疲労があると症状が出やすい

 

「随伴症」

顔面蒼白、唇や爪に色つやがない、息切れ、懶言、心悸、不眠、食欲不振、疲労感

 

「舌脈」

舌質淡、脈細無力

 

「症状解説」

眩暈→脾虚のせいで気血が十分に作られず脳がうまく栄養されない為起こります。

 

顔面蒼白、唇や爪に色つやがない→心は血を主ります。五華は顔面になります。

 

心悸、不眠→血虚のせいで心が養われない為起こります。

 

息切れ、懶言、心悸、食欲不振、疲労感→気の為起こります。

 

舌質淡、脈細無力→気血不足の症状です。

 

腎精不足による眩暈

 

「症状」

眩暈、耳鳴り

 

「随伴症」 

精神不振(憂鬱)、健忘(物忘れ)、腰や膝がだるい

 

「舌脈」

舌質淡紅、脈沈細or細弱

 

「症状解説」

眩暈、精神不振、健忘→精髄が足りなくなり脳に不足すると起こります。

 

耳鳴り、腰や膝がだるい→腎は耳に開き腰は腎の府であるため腎虚になると起こります。

 

舌質淡紅、脈沈細or細弱→腎虚の症状です。

 

めまいの中医学的治療

 

証によって方法が異なります。

 

肝陽亢進による眩暈

 

「治法」

滋水涵木、平肝潜陽

 

「処方例」

風池、侠渓、太衝、肝兪、腎兪、太谿(風池 侠渓 瀉法 腎兪太谿補法)

 

「解説」

腎陰不足による肝陽上亢の症状です。

 

ですので風池、侠渓にアプローチして上亢している肝陽を清瀉、太衝により平肝潜陽をはかることで、その「標」を治癒に向かわせます。

 

また肝兪、腎兪、太谿により肝腎の陰を補いその「本」を治癒に向かわせます。

 

痰濁による眩暈

 

「治法」 

健脾化痰

 

「処方例」 

中脘 内関 豊隆 陰陵泉 頭維(中脘 豊隆 陰陵泉は1.5寸直刺し、内関は1寸直視する。頭維は横刺で1寸刺入する。全てに瀉法を施し20分間置鍼)

 

「解説」 

脾は生痰の源といわれています。中脘、 内関により健脾和胃、降逆去痰をはかります。

 

陰陵泉は足太陰脾経の合穴で健脾化湿の作用があります。豊隆は治痰の要穴です。

 

頭維は陽明の痰熱を清熱します。また頭維は局所取穴としても頭目をすっきりさせる作用があり眩暈に効果的です。

 

気血両虚による眩暈

 

「治法」 

培補脾胃 補血益気

 

「処方例」 

百会 足三里 気海 三陰交 脾兪(百会は前方向に一寸横刺 足三里 気海)

 

「解説」 

気血不足なので脾胃を補う必要があります。

 

脾兪、足三里によって運化機能を高め気血の生成を促します。三陰交には肝・脾・腎を調整します。

 

百会は「諸陽の会」といわれています。陽気を昇拳すると血も上昇します。

 

気海によって下元の補益をはかります。気血が満ちてきて精血が回復すると眩暈は消えてきます。

 

中薬

 

肝陽亢進による眩暈→天麻鈎藤飲または大定風珠

 

痰濁による眩暈→半夏白朮天麻湯

 

気血両虚による眩暈→帰脾湯

 

腎精不足による眩暈→左帰丸

 

中気下陥による眩暈→補中益気湯

 

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